「習慣」は結果を出すために必要な基本行動原理であり、「原則」とも言い換えられます。この習慣には 名著「7つの習慣」でいう「人生の原則」から「毎日の行動」に至るまで様々あります。ここでは、その 両極を勘案して保険販売において大切な習慣を考えてみましょう 。
あなたは自由について考えたことがありますか?
何をやっても自由。どこへ行こうとも誰もダメだとは言わない。どんなことを思い、法を逸脱しないかぎり何をしてもOK。何 時に寝て何時に起きようと、全てあなたの自由な毎日。
さて、ここで考えてみてください。
全てが自由な世界では、全てにおいて、あなたは選択肢を「自分で考え て」選択することになります。それを意識的に実行しているのか、無意識なのかの違いはあるものの、全 ては「あなたの考え」「あなたの好み」の結果。そして選択とは「何かを採り、何かを捨てる」行為に他なりません。 そう、我々は毎日、知らないうちに多くの「取捨選択」を行なっています。もちろん、今日の「あなた自 身」或いは「あなたの置かれている環境」もこれまでの数え切れない取捨選択の結果、成果と言えます。
“今のあなた”はこれまでの取捨選択の結果だ
この取捨選択は往々にしてあなたの習慣を基礎としてなされたもの。
あなたの「原則」「ルール」と言い換えても構いません。
あなたの行動原則10か条は何ですか?
と問われて、スラスラと説明出来る人は少ないでしょう。多くの人は毎日の過ごし方、仕事の進め方につ いて自らのルールを明確には課してはいない、のではないでしょうか? なぜなら、ルールを課すのは会 社であり、上司だからです。「コレをやれ」「アレはやるな」「アソコへ行け」「コレを売れ」など、考 える暇もなければ、取捨選択する自由もかなりの制限付き。でも、考えなくてもいい。そう割り切れば不 自由だが「楽な世界」とも言えます。言われたことをこなしていれば給料がもらえる。有り余るほどの 「コレ」や「アレ」があり、あなたは暇を持て余す時間もありません。 しかし、保険販売の世界へ足を踏み入れたあなたは、この「不自由な世界」と決別し、晴れて自由を手に 入れたのです。さあ、何をしようが、何処へ行こうが、誰にも邪魔されることはありません。
で、どうですか?
自由を謳歌していますか?
楽しく稼げていますか?
胸を張って「転職してよかった」「保険販売の仕事に就けて後悔はない」「家族も喜んでいる」という人 どのくらいいるのでしょうか?
自由は時として、あなたを混乱させる原因にもなります。「何をやってもいい」と言われた途端に「何をしていいのかがわからない」。コレが自由のパラドックス。自由だから不自由。毎日の時間の流れは楽しいかどうかは別として、ラク。でも満足からはほど遠い世界。 そう、あなたは初めて「全ての取捨選択」の当事者が「あなた自身」あることに気が付き、その重みに愕然とする、のかもしれません。そして、その現実に困惑することになる。だから、あなたにはルール、行 動の原則、つまり「良い習慣」「結果につながる習慣」が必要なのです。そしてそれを決めるのは、他ならぬ「あなた自身」です。
厳密にいうと、原則は「考え方」であり、習慣は「行動」とも言えます。「考え方」あるいは「保険販売への姿勢」については本稿全体を通して考えていただくとして、ここでは「日々の行動面」について考えてみることにしましょう。 例えば、下記の7項目について。
そして、これが大切なことだと思っているのですが・・・
●なぜ この原則、習慣なのか?(Why)
●そこから得られる報酬は何か?(What)
この2点を明らかにしておくこと。それが常に原点に自分を戻すために大切です。これがないと、時として単なる惰性となり、意義を見失います。そして疎かになり、ついには忘れてしまうでしょう。常に “What”の前に”Why”が重要なのです。
この7項目すべてについて、あなた自身の考えをまとめてみましょう。そして文字にして目につく箇所に 貼り出しましょう。デスクに置きましょう。身につくまではスマホの待ち受け画面にしてもいいかもしれ ません。「唯一の正解」などはありません。「あなたが思う正解」を「あなたの価値観」で決めることが 大切。もし、ここにおいても正解を求めたい気持ちがあるのなら、あなたは他人の価値観を生きることになります。保険販売を長く継続していくためにも、自分の原則、習慣を決めましょう。
保険販売の仕事は「ゼロから全てを自分で積み上げていく」仕事です。
そういう仕事において「継続的に結果を出し続ける」ためには毎日の過ごし方が基本。仕事の進め方は 勿論ですが「起床時間・就寝時間」はもとより、「始業時間」「休日の過ごし方」「昼食時間の使い方」 に至るまで「結果につながる習慣」が不可欠です。
ところが、「知識」「技術」が一度身に付けると劣化しにくい一方で、良い習慣はせっかく身に付けても 気を許すとすぐに失ってしまいます。「三日坊主」と言われるように、人間は元来「怠け者」なのです。 どんなに良い習慣でも、ちょっとサボるとすぐに継続できなくなる。だから、自分で決めた習慣を継続さ せるコツは「毎朝、毎晩の確認」です。もちろん「決めた背景・理由」「結果として得ることができる 報酬」も。
これから皆さんは、特に誰の指示を受けることもなく、「自分が全て」の毎日を生きていくことになりま す。その気になれば、いくらでも働くことができるし、一方、いくらでもサボれます。そして、好むと好 まざるとにかかわらず、明日は必ずやってきます。油断しているとアッという間に明日が来て、手帳の余 白が増殖していく恐怖に見舞われるでしょう。
今の私はサラリーマンですが、行動様式はフルコミッションの生保営業マン時代と変わっていません。毎 日のスケジューリングは全て自分次第。当然、生み出される成果も100%自分の行動次第。成果によって 報酬が変わらない点は異なるものの、求められる行動様式は同じです。従って、常に「どんな人に、どん な目的で会うのか?」「自分をどんな商品に仕上げるのか?」「そのためのブランディングはどうあるべき なのか?」「どういう心構えで人に対峙するのか?」など、大切にしていることはこれまでと何ら変わりません。皆さんと同じですね。
いたずらに脅かすわけではありませんが、この習慣、すなわち自分の原則を疎かにすると「その日暮らし営業」となり、それこそ「過去の人間関係を換金」してゲームオーバーとなってしまうかもしれません。
自由なのに不自由
自由なのに、どこに行けばいいかわからない
自由なのに、何をすべきかわからない
こうならないように…今すぐ、あなたの「原理」「原則」「行動習慣」を書き出しましょう。
もちろん、「具体的な行動レベル」で「文字にする」が鉄則です。